景観保護のために物乞いの人々を檻の中に収容する中国
中国の江西省南昌市の伝統的な宗教祭において、中国当局が物乞いをする人々に対し、当局が設置した檻の中に入るか市内から出ていくかを選ぶように命令しました。当局は今回の件については、伝統的な宗教祭を観光しに訪れる人々が物乞いたちによって不快な思いをしないようにするためであり、檻の中からなら物乞いを行っても良いとしています。動物園の檻を彷彿とさせるものの中に入れられた物乞いたちは、檻が狭いために立ち上がったり自由に動き回ることもできず、もし檻から出たいならば、ただちに市内から退去させられるとのことです。
この年に一度の宗教祭には中国全土から信者や観光客が集まり、出店や遊興施設などが立ち並びます。大勢の人々に引き寄せられるように物乞いたちも集まり、物乞いを始めるのです。当局の職員は、物乞いたちは自分から檻に入ったことを前置きとして述べ、「毎年彼ら（物乞いたち）のせいで市を訪れる人々が不快な思いをしたり、嫌な時間を過ごしている。それも今年で終わりだ」と説明しました。年々物乞いたちの数は増加傾向にあるらしく、市を訪れる人々にしつこくつきまとい物乞いをするなどの行為もみられるとのことです。
「彼らを檻に入れることで全てが良くなると思います。彼らに施しをしたい人々も、そうでなくただ観光をしたい家族連れも、誰もが良い一日を過ごすことができるのです」「物乞いたちは檻の中でとても快適そうに過ごしています。人々は彼らに食べ物や水を与えています。彼らにとっても、人ごみの中を歩き回って物乞いをするよりもこちらの方が楽ですからね」「市を訪れる人々に楽しんでいただけることが、我々の最優先事項なのです」と当局の職員は述べました。
この “人間の檻” に否定的な人々は、「物乞いたちを動物園の動物のように扱っている。次は彼らに芸でもさせるんじゃないだろうか」「人権侵害以外の何物でもない」「宗教祭に訪れる人々は自分たちの信仰心に照らしてこのような行為を望むだろうか。彼らは人間だ。檻の中に閉じ込めていいはずがない」
家族と共に宗教祭を訪れた中国人の男性は、「貧しい人々がこのような扱いを受けていることに恐怖を感じる。家族と共に楽しい一日を過ごすはずだったのに、動物用に檻に入れられている人々を見てとても嫌な気持ちになったよ」と述べています。
翻訳：しょぼん少佐
出典：China rounds up and CAGES beggars … so they didn’t spoil the view at town fair
