イングランドのデボンに建てられた妊婦の像のセンスがものすごい
人口に膾炙する芸術作品は少なく、一部の熱狂的な支持によって評価されることが多いですが、イングランドにある歴史と伝統を受け継ぐのどかな海岸線の田舎街デボンに建造された像は、まさに現代芸術は万人に平等に受け入れられることは難しいことを表現しているかのようです。この像をデザインしたのは現代芸術家のダミアン・ハーストさんで、彼の今回の作品に対する評価は、古き良き風景がただずむこの街の住民を二分するほどのかつてない賛否両論が巻き起こっています。この銅像はノースデボン評議会から建立許可を得ていますが、100通ほどの抗議文が議会に届いているようです。20m以上の大きさのあるこの青銅製の像は “ヴェリティ” という題名で、ハーストさんはこの作品を街に20年間貸与するつもりです。ハーストさんによるとこの作品の意味は “真実と正義の現代の寓話” 。地元の人の反応は「気持ち悪い」「グロい」といった否定的なものから、「新しい観光の目玉になるよ!」といった肯定的な声もあります。
ノースデボン会議の議員マイク・エドマンズさんは「この街を、人々が休暇に訪れたくなるような観光地にする必要がある。しかし今この街には何もない」「ホテルは廃業しているし、何か地元経済を刺激するものが必要だった。人を呼ぶ芸術をちょうど探していたんだ」「賛否両論が巻き起こっているが、この論争が人々をこの街に呼ぶこむきっかけになるだろう」
この銅像はグロスターシャー州のセンザンコウエディション・ファウンドリで40以上の個々の鋳物を組み合わせて製作されました。ステンレススチールと青銅でできており、腕と剣の部分は一つのパーツで、ポリマーによって強化されたファイバーグラスが使用されています。風洞実験では海岸沿いの強風や潮風に耐えられることを証明しています。
ハーストさんは自分の作品に対するネガティブな反応は無視する方針であると、以前にメディアで話しています。
ダミアン・ハースト(Damien Hirst、1965年7月7日 – )は、イギリスの現代美術家である。ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBAs)と呼ばれる、1990年代に頭角を現してきたコンテンポラリー・アーティストの中でも代表的な存在である。特に”Natural History”という、死んだ動物(鮫、牛、羊)をホルムアルデヒドによって保存したシリーズが有名。
翻訳:しょぼん
出典: Thar she rises! Bump on the beach arrives as Damien Hirst’s 65ft statue of a pregnant woman is hoisted upright in Iflracombe. But awesome or an eyesore?