TPPで自動車は例外受け入れの方向となったことに対する海外の反応


TPP亡国論 (集英社新書)


 アメリカと進めているTPPの交渉で、米国側が懸念している日本からの輸入自動車の関税撤廃について、例外として関税撤廃しないという方向でしばらく様子を見るそうです。このことに対する海外の反応がありましたのでまとめて紹介します。


米の自動車に譲歩 政府、来週参加表明
 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加に向け、政府が米国の自動車関税の撤廃について一定の猶予期間を認める方向で調整していることが5日、分かった。日本もコメや砂糖などの農産物の関税維持を目指しており、自動車分野で米国に譲歩する必要があると判断した。

 菅義偉官房長官は5日の記者会見で、TPP交渉参加に関し、「結論を出したら国民に何らかの形で働きかけるのは常識だ」と述べ、安倍晋三首相が記者会見で説明するとの見通しを示した。政府は17日の自民党大会前に参加表明する方向で調整を進めている。

 日本は輸入車にかかる関税はゼロだが、米国は日本からの乗用車の輸入に2・5%、トラックに25%の関税をかけている。TPPは全物品の関税撤廃を原則としているものの、米自動車業界では、関税がなくなると、日本車の輸出攻勢にさらされかねないとの警戒感が根強い。

 このため米国側は、日本のTPP交渉参加に向けた日米間の事前協議で、自動車の関税を当面維持するよう要求。日本政府も米国の意向を容認し、交渉参加を了承してもらうほか、農産物を関税撤廃の「例外」として求める。






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TPPで自動車は例外受け入れの方向となったことに対する海外の反応:


・日本が軽自動車を廃止にしない限り日米自動車貿易摩擦は永久に無くならないだろう。


・アメリカの自動車会社も軽自動車を作ればいいと思う。


・日本は道が狭いからアメリカのSUVは走れない。駐車スペースの問題もあるしね。それに日本はガソリンの値段が異常に高いから、燃費が悪いアメリカ車には適していない。内装も走行性能もアメリカ車は日本人に受けないと思う。


・トヨタのランドクルーザーはアメリカの自動車メーカーのSUVに匹敵する大きさだけど、普通に東京都内を走り回っているけど。


・日本の自動車メーカーはアメリカ人にもウケがいい車を40年間作り続けてきたからな。だから彼らは発展している。デトロイトの自動車メーカーはテキサス親父にしかウケない車しか作ってこなかったら衰退した。


・Mazda 3 と Ford Focus は同じエンジン、トランスミッション、運転機構でありながら、日本における年間販売台数は
Mazda 3の20万台に対して、Ford Focusは100台しか売れていない。これはどういうことだ?


・その2車種のプラットフォームはフォードとマツダ、ボルボの技術者によって設計されたんだけど、販売するときに日本のディーラー網を使って
Mazda 3は売られた。実際、フォードはそれで今でも儲けているよ。



・韓国車は日本に年間500台しか輸入されないが、日本車は韓国に20,000台輸出されている。日本の市場が閉じているかぎり、アメリカの製造業は日本に勝てないだろう。


・日本の自動車メーカーはアメリカの輸入関税が高いから、アメリカ国内で現地生産をしている。もしアメリカが自動車の輸入関税を撤廃したら、日本の自動車メーカーは人件費の安いアジアに工場を移すだろう。そうなればアメリカの雇用が喪失する。失業率をあげたくないというのが一番の理由だと思う。


・日本市場は萎んでいくことが確定しているし、若者も車に乗らなくなって、売れる車は軽自動車ばかりの日本に、アメリカの自動車メーカーは魅力を感じないのだろう。だからわざわざ日本市場向けだけのために軽自動車を開発する意味もない。日本の自動車メーカーでさえ、日本市場を最重要視していないのだから。



翻訳:しょぼん
出典:Japan, U.S. agree on auto exemption for TPP talks
 
TPPが日本を壊す (扶桑社新書)