マラソン中に寒風によって眼が凍結した男性、違和感を感じて眼を擦りまくる！ すると……。
マラソンランナーは時々、寒い中ジョギングをしていて目が見えにくくなることがあります。その時、実は目は凍っているのです。
44歳のとある男性も「風による一時的な失明」を体験したことがあります。冷たい風が吹き続け、彼の眼を守るはずの涙が乾いてしまった時に起こりました。涙が乾くと、雪やみぞれが直接目に当たり、目の一番外側の部分を凍らせてしまうのです。人は寒い時、十分にまばたきをしません。そのため目は涙を十分に出すことができない状態になります。
マラソン中、第一ステージの最後に位置する安全チェックポイント（調子が悪い時に立ち寄る救護所）へ来たこの男性はまず、左目が痛いと訴えました。曇って視界が悪いし目の中に何か入っているんじゃないか、と言います。
そこにいた医師たちは彼の左目の角膜が凍っているのを確認しました。角膜は目の一番外側の層にあたります。この違和感により彼は眼を頻繁にかき、引っかき傷が目の表面に増えていました。そのため彼の左目は腫れ、レンズは明らかに曇っていた、と当時を覚えている医師が振り返っています。
救急隊のメンバーがすぐに彼をその寒々しい環境から連れ出したところ、その腫れは間もなく収まり、視力も回復しました。
それ以上寒くて風の強い環境に居続けたなら、彼の角膜は腫瘍を作る可能性すらありました。そうなっても適切な治療をせずに放置すれば彼の視力そのものを脅かす危険性すらあるのです。
彼が走っていた日は断続的に雪が降り続ける日で、気温は5度から０度以下へと下がっているところでした。それに加えマラソンコースの一部では風速1２0キロもの風が吹き付けていました。にも関わらず、このランナーはゴーグルなど、目を守るための装備を何もつけておらず、顔面を寒さから守る物も一切身につけてはいませんでした。
男性はこの時の体験を「静かなダメージ」と呼び、ノンストップで7時間走り続けるウルトラマラソン中の出来事でした。42キロよりもはるかに長い距離続くレースです。
レース中彼は最初、痛みも損傷も、何も自覚していませんでした。そしてその後かなり時間が経つまでその危険性について認識していませんでした。これは凍傷と同じような症状であると医師は言います。
彼は当初、暗い場所での視力の低下を感じ、頻繁につまづき始めました。彼はそれは疲れのせいか、あるいは低血糖のせいであると思っていました。そして安全チェックポイントヘ入って初めて彼の視界に何か問題があるはずだと言うことに気が付きました。
専門誌に投稿している医師は、ウルトラマラソン参加者の増加がひき起こす危険性について警告を発しています。ウルトラマラソンは別名ウルトラ長距離、とも呼ばれ、ランニングやウォーキングを通常のマラソンである42キロよりはるかに長い距離で行います。
イギリスのウルトラレースは豊かな地形の変化を利用し、多くのアップダウンがあります。そして天候はそれらのレースにまた違う局面も添えてくれる、と言われています。
風の強さや温度の低さはレースによっては魅力でもあります。とは言え参加者への実際の危険が認識されていないケースが目立ちます。
ランナーはこのようなレースの場合、全員ゴーグルをした方がいい、と医師たちは言います。スキーなど、ゴーグルをつける事が当たり前のウィンタースポーツと違い、ランナーたちはゴーグル着用にかなり抵抗があるようです。しかしながら着用により、氷点下の中の強い風への長時間の目の露出を防ぐことができ、目へのダメージが大きく軽減されるのです。
スポーツマンの間では「風による失明」や目のダメージへの危険性はあまり認識されていませんが、ランニングや、ウルトラマラソンの業界で大きな存在感を持っています。
冬はマラソンの季節です。日本でもマラソンはブームですが、実際主要なマラソン大会は全て真冬にあります。そしてその時、自分一人だけがゴーグルをつけて走るのはかなりの勇気がいるでしょう。しかし日本のレースでも気温が0度近くまで下がるのは珍しくありません。風強いことだってあります。過信せず自分の体を自分で守り、コントロールしながら続けて行く必要性を参加者たちには幅広く説いていく必要がありそうです。
海外の反応：
・マラソンしていた時に目が見えなくなったことがあったけど、これが原因か。
・これからはゴーグルをつけてマラソンをしないと。
・もう少しで失明しかけていたんだね。おそろしい。
・眼は皮ふに覆われていないからな。ゼリーみたいだし、すぐに凍るんだろうな。
・人間の身体で唯一いつも外に露出している内臓だからな。気温の変化には敏感だろ。
・寒い日に自転車に乗るのも危なそうだな。バイクはゴーグルをするけど。
・目が凍るなんて考えただけでゾッとするよ。
Marathon runner FROZE his eye after racing in cold and windy conditions
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